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投稿日時:2026.07.12
1着数百円、毎日何千点もの新作が並ぶネット通販。そんな超ファストファッションに、法律で歯止めがかけられることになった。
フランス上院は6月29日、SHEINやTemu、AliExpressが主な対象になるとみられる「反ファストファッション法」を最終可決。2年以上にわたる上下院の議論を経て、EU法との整合性を意識しながら成立した。
ファストファッションを名指ししたこの法案とはどんなものなのか。
この法が問題視しているのは、極めて短いサイクルで大量の新商品を市場に投入し、数回着ただけで捨てられることを前提にした販売モデルだ。
繊維産業は世界の温室効果ガス排出量の約1割を占めるとされ、注文のしやすさ、買い替えのしやすさが、そのまま環境負荷の大きさに直結しているという指摘がある。
採決前、フランスの中小企業担当大臣セルジュ・パパン氏は、「今問われているのは服そのものではなく、私たちがどんな社会モデルを守りたいかだ」と述べている。
しかし今回の規制、ファストファッションを代表するH&MやZaraなどは対象にならない見込みだという。その基準とは何か。
法律が新たに定義した「ウルトラ・エクスプレス・ファッション」は、2つの累積基準で判定される。
1つは市場に投入される新商品の点数の多さ。従来型のファストファッションが年4〜6コレクションであるのに対し、対象企業は毎週数百点もの新商品を投入する規模感となる。
もう1つは、商品価格と修理費用の比率で測る「修理への動機づけの低さ」。3ユーロのTシャツの修理に15ユーロかかるといった、修理よりも買い替えたほうが合理的になってしまう価格構造が典型例として挙げられている。
なお、この2つの基準に対する具体的な数値は法律本文には明記されておらず、今後の政令に委ねられている。そのため実際にどの企業が対象になるかは、まだ確定していないのが実情だ。
しかし、この規制対象になるには両方の基準を満たす必要があり、Zara、H&Mといった欧州発の従来型ブランドは、1つ目の基準から外れると予想されている。
一方で、SHEINやTemu、AliExpressといった中国発のファストファッションブランドは規制対象になる可能性が高く、中国企業の狙い撃ちのような規制に「政治的では」との批判の声も上がっている。
この新たな規制により、対象企業には商品1点あたり0.25〜6ユーロの罰金が科され、2030年には最大10ユーロまで引き上げられる予定だ。
また、ブランド広告やインフルエンサーによる宣伝も禁止となる。インフルエンサーの広告においては、有償であれ無償であれ禁止対象になるという厳しいガイドラインが引かれており、いわゆる無償を装ったステマ広告などの抜け穴も封じられている。
フランスが口火を切ったファストファッションへの規制。これが果たしてEUへと波及していく規制となるのか、今後の展開に注目が集まっている。
Photo: Magnific