注目のタグ

セメダイン、「水で剥がせる」
海藻由来の接着剤を共同開発

投稿日時:2026.03.26

セメダイン株式会社が、コンテンポラリーデザインスタジオ we+、株式会社博展とともに、水で簡単に剥がせる海藻由来の接着剤「LOOPGLUE」を開発。

「高い接着性能」と「水で簡単に分解できる特性」を両立する新たな発想で、展示会やイベントの裏側にある“課題”にアプローチする。

「剥がせる」ことで生まれる資源の循環

展示会やイベントの裏側には、意外と知られていない課題がある。華やかな空間を支える壁面や装飾の多くは、会期終了後に解体され、そのまま廃棄されるケースも少なくない。

とくに壁紙を貼り付けた木工パネルは、きれいに剥がすことが難しく、再利用のハードルが高いとされてきた。

そんな状況に一石を投じるのが、セメダイン株式会社が発表した接着剤「LOOPGLUE」だ。

原料には、海藻由来のアルギン酸ナトリウムを採用。もともとはwe+と博展による海藻活用のリサーチプロジェクトから着想を得たもので、そこにセメダインの技術が加わることで、実用性を備えた接着剤へと進化した。

特徴的なのは、接着後でも水をかけるだけで剥がせる「易解体」の性質。これにより、これまで使い切りされることが多かった木工造作物に水をかけるだけで、壁紙などをきれいに剥がすことができ再利用が可能になる。

展示のあり方そのものを見直すきっかけになりそうだ。

日常のものづくりにも広がる可能性

「LOOPGLUE」は単なる環境配慮型製品にとどまらず、接着力そのものも従来の壁紙用接着剤と同等以上を実現しており、実務の現場でも安心して使える性能の高さも魅力。

さらに注目したいのは、そのやさしさ。溶剤などの有害物質を含まず、自然由来の素材からつくられているため、作業者の健康や環境への影響にも配慮されている。

教育現場などでも安心して使用できる点は、今後の広がりや可能性を感じさせる。

また、原料となる海藻は、南米チリで自然のライフサイクルを終え海岸に漂着したもののみを採取しており、生態系への負荷を抑えた調達が行われている。現地の雇用創出にもつながっているという背景も、このプロダクトに奥行きを与えている。

接着する機会というのは特別なものではなく、私たちの日常にも普通にあるもの。これまでは固定するためだった接着剤が、簡単に外すことまで設計されたものになったとしたら、使い方の幅はぐんと広がりそうだ。

社会課題の解決をきっかけに、さらなる社会貢献にもつなげ、新たな可能性まで生み出したイノベーティブな接着剤「LOOPGLUE」。今後どんな用途において発展していくのか注目だ。

画像提供:セメダイン株式会社