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投稿日時:2026.01.04
株式会社再春館製薬所は、ドモホルンリンクル化粧品の製造過程で生じる廃液を活用した「化粧品廃液のエネルギー革命」プロジェクトで、2025年12月14日に開催された「くまもとSDGsアワード2025」の「牽引部門」で入賞した。廃液をエネルギーに変えるこのプロジェクトは、一体どんな技術なのか。
阿蘇の伏流水に育まれた「水の都・熊本」。この地に本社を構える再春館製薬所は、漢方の思想に基づき「人間も自然の一部である」という価値観を大切にしてきた。主力ブランド「ドモホルンリンクル」も、その哲学から生まれた製品だ。
同ブランドの原点でもある「クリーム20」は、その高い機能性ゆえに多くの油分や植物成分を含む。製造過程で生じる化粧品廃液は、その濃度と粘度から従来の排水処理では分解が難しいという課題を抱えていた。
再春館製薬所は、「人を美しくサポートする製品が、命の源である『水』を汚す可能性を生んではならない」という想いから、ベンチャー企業の株式会社WATASUMIと手を取り合い、新たな技術開発に踏み出し「化粧品廃液のエネルギー革命」プロジェクトをスタートした。
このプロジェクトが目指したのは、廃液を浄化するだけでなく、エネルギーへと変換する画期的な試みだ。
プロジェクトの核となるのは、微生物燃料電池という技術。この技術を活用し、難分解性の廃液をただ浄化して終わりではなく、微生物が分解する過程の副産物として「電気」と「メタンガス」を生み出す仕組みを構築している。
薬彩工園の工園長・高野徳恵氏は、排水をきれいにするだけでなく、そこから新たな価値を生み出したいと考えてきたと話し、「熊本の自然に生かされている私たちにとって、この技術は『自然への恩返し』の第一歩」と語る。
2026年の完全実用化を目指し、将来的には、この技術で生まれた電気を工場の照明に使うなど、「エネルギーの地産地消」も視野に入れているという。
現在再春館製薬所は、沖縄のマングローブ域から採取した菌の導入など、処理速度の向上にも挑戦中だ。工場で発生する廃液のゼロにし、生成されたエネルギーを自社内で活用する「エネルギーの地産地消」を目指している。