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投稿日時:2026.02.28
オーストラリアの電力事情が、大きな節目を迎えた。2025年末の四半期(12月期)において、同国の主要電力網で再生可能エネルギー(太陽光・風力・バッテリーなど)が占める電力比率が初めて50%を超えたと、オーストラリア・エネルギー市場運営機関(AEMO)が1月末に発表した。
これは、電力需要が前年同期比で2.2%以上増えたにもかかわらず達成されたもので、再生可能エネルギーの存在感が急速に高まっていることを示している。
今回発表された2025年末の四半期のガス火力発電は、2000年以来の低水準まで落ち込み、石炭とガスを合わせた比率は全体の発電構成の50%を下回った。
その結果、電力網全体の二酸化炭素換算排出量は四半期として過去最低の2,340万トンに達し、脱炭素への進展を裏付けた。しかも、同期の全国電力市場全体における総発電量は、前年同期比で3.1%増の2万5,000メガワット強だ。
この成果の背後には、屋根上太陽光、大規模太陽光発電、風力発電すべての再生可能電源の発電量が大幅に増えたことがある。
AEMOによると、これらは新設された発電容量の稼働開始や、風の強い気象条件による影響もあったという。バッテリーの放電能力も1年前と比較してほぼ3倍となり、286メガワットに達した。
再生可能エネルギーの増加は、ここ数年の太陽光・風力設備の増設や蓄電技術の進化によるものだ。オーストラリア政府の発表によれば、すでに2024年にはオーストラリア全体の発電の36%が再生可能エネルギー由来となり、特に小規模太陽光の導入が年平均20%以上で成長していることが示されている。
また国際エネルギー機関(IEA)の予測では、今後も再生可能エネルギーの設備容量が大きく拡大すると見込まれているため、こうした潮流は一時的なものにとどまらない可能性が高い。
オーストラリア政府は2030年までに2005年比で排出量を46%削減し、同年までに電力の82%を再生可能エネルギーから供給することを目指している。
一方で、国内には州ごとのエネルギー政策の違いもある。たとえば、西オーストラリア州では再生可能エネルギーの利用が増える一方、長期的なエネルギー安全保障への懸念から石炭火力発電所の寿命延長も決定されている。
再生可能エネルギーの比率が50%を超えたことは大きな成果だが、電力網の安定性やエネルギー貯蔵設備のさらなる拡大といった課題は依然として残る。
しかし、オーストラリアは再生可能エネルギーのポテンシャルが高い。風力・太陽光・バッテリーの組み合わせによる電力供給の成功モデルは、エネルギーの課題に直面している世界各国にとっても参考になる試みといえる。
いよいよ発電量が50%を超え、軌道に乗ったように見えるオーストラリアの再生可能エネルギー政策。この事実は、世界で取り組む気候変動対応やエネルギー政策における大きな転換点になるかもしれない。