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ユニ・チャーム、使い終えた紙パンツが
“資源”になる未来へ

投稿日時:2025.12.31

生活の必需品である紙パンツ(紙おむつ)は、使い終えた後は捨てるしかないー、そんな常識を変える新たな一歩を、ユニ・チャームが踏み出した。香川県の廃棄物処理会社・富士クリーンと協力し、使用済み紙パンツを再び資源として循環させるための新技術「ドライ洗浄法」の開発が始まった。

水をほとんど使わずに洗う、新発想のリサイクル技術

ユニ・チャームは2010年から使用済み紙パンツ(紙おむつ0の再資源化技術に着手し、水平リサイクル「RefF(リーフ)」プロジェクトを推進。

2019年には世界で初めて、オゾン処理技術により未使用品と同等品質の再生パルプを生み出すなど技術革新を進めてきた。しかし、従来の再生工程では大量の水が必要で、地域によっては導入が難しいという課題があった。

そこで今回開発に着手した「ドライ洗浄法」は、名前の通り“水をほとんど使わない”技術。ドライクリーニングの発想を応用し、繰り返し使える溶剤と、独自の殺菌・漂白技術を組み合わせることで、水流洗浄法に比べて使用する水量は約50分の1に。水資源の乏しい地域での導入のハードルが下がり、国内外のより広い地域での使用済み紙パンツのリサイクル普及が期待される。

まずは香川県綾川町内の事業所ともっ協力し、地域の使用済み紙パンツの回収体制が整備され、2026年には富士クリーン敷地内で技術開発がスタート。その後、2029年には本格プラントが稼働する予定だという。地域に暮らす人々とともに“捨てずに循環させる”仕組みが少しずつ広がっていく。

生活者の手元から、地域へ、未来へ広がる循環の輪

今回の取り組みでユニ・チャームと協力する富士クリーンは、長年にわたり産業廃棄物のリサイクルに取り組んできた企業。廃棄物の特性に応じた処理技術に強みを持つ。その知見とユニ・チャームの衛生用品開発のノウハウが掛け合わさることで、紙パンツの新しい循環モデルが形になろうとしている。

ユニ・チャームは2035年までに、紙パンツのリサイクルに取り組む自治体を20に拡大する目標を掲げる。単なるごみ処理ではなく、「地域で回収し、地域で資源化する」という循環は、環境に優しいだけでなく、暮らしの選択肢を豊かにするものでもある

紙パンツという生活の一部が、未来の資源として再び役立つ。その小さな変化が、日々の暮らしや地域のあり方、そして世界の環境にまでつながっていくかもしれない。香川から始まるこの取り組みが、どんな未来を描き出すのか楽しみにしたい。