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投稿日時:2026.07.09
企業による森林保全活動は珍しくなくなった。そんななかスターバックス コーヒー ジャパンが群馬県みなかみ町で始めた新たな取り組みは、森を「守る場所」ではなく、「学びの場」として位置付けるものだ。森林と店舗をつなぎ、人と自然の関係を見つめ直す挑戦が始まっている。
スターバックス コーヒー ジャパンは、群馬県みなかみ町で「森のスターバックス プロジェクト」を開始した。
プロジェクトでは、未利用の間伐材を店舗の建材として活用するための耐久試験を進めるほか、コーヒーかすを活用した堆肥づくりや、森の稚樹を店舗で育てて再び森へ戻す「山どり苗の保育園制度」など、森林と店舗を行き来する複数の取り組みを展開する。
特徴的なのは、森林整備を企業の社会貢献活動として切り離すのではなく、日々の店舗運営や従業員教育と結び付けている点だ。
森で起きていることを店舗へ、店舗で生まれる資源を再び森へ返す。森林と事業活動を循環でつなごうとしている。
プロジェクトでは、これまで建築材として流通しにくかった小径木や未利用の間伐材にも新たな役割を与えようとしている。
一般的な建材は規格に合わせて製材されるため、多くの木材が廃棄されてしまう。一方で今回は、不ぞろいな木材の個性を生かしたデッキを試作し、「捨てないデザイン」に挑戦した。
その結果、通常60〜70%程度だった製材時の廃棄率を30〜40%まで削減できたという。
大切なのは、新しい資源を探すことだけではない。身近な資源をどう生かし、森と店舗、人と自然をどう循環で結び直していくか。その発想が、持続可能な社会づくりの土台になっていく。
スターバックスがこのプロジェクトで重視しているのは、森林整備そのものだけではない。
従業員が実際に森へ入り、自然の中で過ごすことで、コーヒー栽培を取り巻く環境問題への理解を深める機会としている。
気候変動の影響で、2050年にはアラビカ種の栽培適地が現在の半分まで減少する可能性があるとされる「コーヒー2050年問題」。こうした課題を、研修室ではなく森の中で体感し、自らの言葉でお客様へ伝えていくことも、このプロジェクトの目的の一つだ。
企業が環境課題に向き合うとき、大切なのは社員一人ひとりが自然とのつながりを実感し、その気づきを日々の仕事やお客様との対話へ還元していくこと。そんな循環が生まれたとき、森林保全はCSRではなく、企業文化そのものになっていくのかもしれない。
画像提供:スターバックスコーヒージャパン株式会社