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投稿日時:2026.07.10
子どもが学校へ行き渋る。不登校になる。そんなとき、親は子どもの心身のケアに向き合いながら、自分の仕事をどう続けるかという大きな課題に直面する。
文部科学省の最新調査では、不登校の状態にある小中学生は35万3,970人。過去最多を更新し、12年連続で増加。子どもの数が減るなか最多を記録しているということは、不登校の率は急増しているということだ。
不登校はもはや一部の家庭だけの問題ではなく、多くの働く親に関わる身近な社会課題になっている。その一つが、子どもの不登校により会社を辞める「不登校離職」だ。この実態について、サイボウズ株式会社が調査を実施した。
サイボウズ株式会社のサイボウズ ソーシャルデザインラボは、企業で正社員として働く子育て中の親1,000人と、人事担当者500人を対象に、子どもの不登校・行き渋りが親の就労に与える影響と、企業側の認識とのギャップを調査。
今回の調査で特に目立ったのは、親の孤立だ。子どもの不登校に際して、使いたい制度が使えなかったとき、33.0%の親が「どこにも相談できなかった」と回答している。上司に相談した人は18.4%、人事・労務に相談した人は10.2%にとどまる。
一方で、人事担当者の53.4%は、子どもの不登校・行き渋りで困っている社員について「いないと思う」または「おそらくいるが把握していない」と回答。親が抱えている困りごとが、職場からは見えづらい状況が浮かび上がっている。
子どもの不登校・行き渋りをきっかけに、離職、転職、時短勤務、職種変更、休職など、実際に働き方を変えた親は24.8%。4人に1人が何らかの行動を取っていた。その影響は家計にも及び、働き方を変えた親の74.2%で世帯年収が減少し、そのうち34.7%は2割以上減少したと回答。深刻な影響がうかがえる。
一方で、人事担当者の43.8%は、不登校・行き渋りを離職リスクとして十分には認識しておらず、対応が後手になっているのが実情だ。
また、働く親が企業に最も求めていることについて、53%が「使える制度の積極的な周知」と回答している。
不登校や行き渋りに直面したとき、親はまず子どものケアや学校とのやりとりに追われてしまう。その状況下で、社内制度を一から調べたり、相談先を探したりするのは簡単ではなく負担は大きい。
しかし、人事担当者のうち、制度の活用方法を「積極的に周知している」と答えたのは19.4%にとどまっており、親が必要なときに必要な情報へたどり着きにくい現状があるようだ。
さらに、相談のしやすさにも課題が見られ、親が職場に相談しなかった理由は、「相談しても変わらないと思った」29.6%、「言い出せない雰囲気だった」22.0%、「評価に悪影響があると思った」12.2%で、合わせて63.8%。相談しやすい環境づくりが、サポートにつながることがうかえる。
不登校ジャーナリストの石井しこう氏は、不登校が過去最多の35万人を超えた今、最も見過ごされているのが「親の孤立と離職」だと指摘する。そして、既存制度の積極的な周知と言い出しやすい風土づくりに取り組めば、救われる親が大勢いるとコメントしている。
子どもの不登校は、家庭だけで抱え込むにはあまりに大きいテーマだ。共働き家庭が増えるなか、家庭の事情を一切職場に持ち込まず働き続けることはより難しくなっている。
今回の調査では、「子どもが不登校・行き渋りになった場合、今の職場で仕事を続けられるか」という問いに対し、「工夫すれば続けられると思う」が最多の36.4%だった。家族のかたちの主流が核家族になった今、一つの家族内で抱え込むのではなく、企業も一緒に支えていく取り組みこそが課題解決への重要なカギといえそうだ。
画像提供:サイボウズ株式会社