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投稿日時:2026.10.27
スマートフォンを見ず、会話もせず、ただ90分間ぼーっとする。そんなユニークな競技イベント「ぼーっとする大会」が、2026年11月3日に東京・六本木で開催される。応募倍率は約7倍に達し、「何もしないこと」に多くの人が関心を寄せている。効率や生産性が重視される現代社会で、なぜ今、ぼーっとする時間が注目されているのだろうか。
「ぼーっとする大会」は、決められた時間内に、いかに何もせず過ごせるかを競うイベントだ。2014年に韓国で始まり、その後、世界各地へと広がった。日本では2023年に初開催され、2026年11月3日には第4回TOKYOぼーっとする大会が、アークヒルズのアーク・カラヤン広場で開催される。
競技時間は90分。参加者は静かに座り、ただぼーっとして過ごす。ただし、眠ってしまうのはNG。スマートフォンの操作や会話、笑うことなども禁止されている。勝敗を決めるのは、観客による投票で評価する「芸術点」と、15分ごとに測定する心拍数の変化をもとにした「技術点」の2つ。見た目のぼーっとした様子と、心拍数の安定度から総合的に評価される。
何もしないだけなら簡単そうに思えるが、普段からスマートフォンを手に取り、次々と情報に触れている人にとって、90分間何もせずに過ごすことは、意外に難しいのかもしれない。大会は競技としての面白さだけでなく、日常生活で忘れがちな「何もしない時間」の価値を伝える場にもなっている。
今回の大会のテーマは「贅沢の再定義」だ。スマートフォンやSNSの普及によって、私たちはいつでも情報にアクセスできるようになった。仕事の連絡を確認し、ニュースを読み、移動中には動画を見る。便利になった一方で、何も考えずに過ごす時間は、意識しなければ確保しにくくなっている。
さらに、生成AIの進化などによって、仕事や生活の効率化が進む現代。短い時間で多くのことをこなし、常に何かを生み出すことが求められる場面も少なくない。こうした社会に対し、大会の主催者は「何もしない時間を持てること」こそが、現代における贅沢ではないかと問いかける。
ぼーっとすることは、怠けることや時間を無駄にすることと捉えられがちだ。しかし、予定を詰め込まず、情報から離れて過ごす時間も、心に余裕を持つための一つの選択肢といえるだろう。もちろん、90分間何もしなければ、必ずストレスが解消されるというわけではない。大会が伝えようとしているのは、何もしない時間そのものを肯定する価値観だ。
忙しい毎日のなかで、何もせずに過ごすことを自分に許せるだろうか。「ぼーっとする大会」は、私たちの時間の使い方を見直すきっかけになりそうだ。
画像提供: 株式会社VIS