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投稿日時:2026.04.23
スポーツチームは、競技だけをしていれば成立するのだろうか。エスポラーダ北海道の取り組みは、その前提に静かに問いを投げかけている。
エスポラーダ北海道は、北海道札幌市をホームタウンとする、日本フットサルリーグ(Fリーグ)所属のプロフットサルクラブ。2008年に設立され、北海道唯一のトップリーグチームとして、「道民クラブ」を掲げながら活動を続けている。
競技としてのフットサルに加え、小中学校での出前授業やスクール運営などを通じて、地域との接点を継続的に生み出している点も特徴だ。
本記事では、USME編集部がエスポラーダ北海道の広報・運営を担う武田 沙奈さんに取材し、その取り組みの背景と考え方について話を聞いた。
「北海道で、地域に根ざしたチームができたらいいよね、というところから始まっています」武田さんは、そう振り返る。
母体である明日佳グループは、医療・介護事業を通じて地域と関わってきた組織だ。その延長線上に、スポーツという形での関わりが生まれた。
競技のためのチームではなく、地域との関係の中で存在するチームであること。その前提が、活動の軸になっている。
フットサルは“目的”ではなく“関係を生む手段”
出前授業や地域イベント、ボランティア活動。エスポラーダ北海道の取り組みは、競技の枠を越えて広がっている。
「全然関係ない活動に見えるんですけど、たどっていくとやっぱりフットサルが起点なんです」
フットサルは目的ではなく、関係を生むきっかけ。その位置づけがあるからこそ、活動は自然と外側へ広がっていく。
スクールで大切にしているのは、技術よりも前にある姿勢だ。「最初は苦手意識があると思うので、まず蹴ってみよう、やってみようっていうところをすごく大事にしています。挨拶だったり、人としてできるようになろうっていうところも、徐々に伝えています」
また、イベント後にはアンケートも実施しているという。「“子どもが楽しそうにしているのが嬉しい”っていう声は毎回いただいていて」
こうした声が積み重なることで、関わることへのハードルは下がっていく。その結果、地域との距離も自然と縮まっていく。
運営として強く意識しているのが、若年層との接点だ。「このままだと、年齢だけがどんどん上がっていって、辞めていく人が増えてしまうので」
その課題に対して、学校や少年団との連携を続けている。「コーチのつながりで、学校の先生だったり、部活の指導者の方とお話しさせていただいています」
エスポラーダ北海道では、女子チーム(エスポラーダ北海道イルネーヴェ)や下部組織の活動も展開しており、若い世代が競技を続けていくための受け皿も整えている。
こうした取り組みは、単なる裾野拡大ではない。「スクール生からトップチームに昇格した選手も何名かいるので、やっぱりこの縦のつながりはすごく大事だと思っています」
その言葉どおり、関係は長い時間をかけてつながっていく。
さらに、関係は競技の中だけにとどまらない。「スクール生の親御さんがスポンサーとして関わってくださるケースもあって」
子どもをきっかけに、親、そして企業へと関係が広がっていく。「子どもを巻き込むと、親御さんが一緒についてきてくれます。縦のつながりも横のつながりも、どちらも大事だと思っています」
こうしたつながりが、スポンサーやファンとしての関係にもつながり、クラブを支える基盤となっている。
では、地域に関わるには何から始めればいいのか。「体育館を使ってもらうだけでも関わりになると思っています。間接的でもいいので、一緒にスポーツをするところから始めてもらえたら。まずやってみることが大事かなと思います」
関わりは、小さなものでいい。その一歩が、次の関係へとつながっていく。
取材・制作素材:USME編集部
写真:一般社団法人エスポラーダ北海道スポーツクラブ
一般社団法人エスポラーダ北海道スポーツクラブ
北海道札幌市西区山の手3条2丁目5-5
公式サイト