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投稿日時:2026.05.25
大山乳業農業協同組合は、鳥取を中心に愛される牛乳「白バラ」ブランドの価値向上に向け、新たな取り組みを発表。鮮度や品質の追求だけでなく、環境負荷低減や地域農業の維持を視野に入れた、“持続可能な酪農”を本格的に進めていく。
鳥取県産生乳を100%使用した「白バラ牛乳」は、県内すべての小・中学校の給食で提供され、「ソウルドリンク」とも呼ばれる、鳥取を中心に広く愛されている牛乳ブランド。
そんな地域の暮らしに根づいた牛乳だからこそ、今回挑むのは単なる商品開発ではなく、地域の未来づくりにもつながる取り組みだ。
近年、全国的に農家の高齢化や耕作放棄地の増加が課題となるなか、鳥取県でも農地維持は大きなテーマになっている。
大山乳業では、酪農家自らが飼料を生産することで農地を守り、循環型農業を推進。土壌や堆肥を科学的に分析しながら、化学肥料の使用を抑えた飼料づくりを行い、農地維持の課題にも取り組んでいる。
今回の発表のなかでもとくに注目されるのが、農林水産省が推進する「実証用みえるらべる」への対応だ。
これは、温室効果ガス(GHG)削減への取り組みを、星の数でわかりやすく表示する仕組み。大山乳業で使用している生乳は、国産飼料自給による輸送由来CO2削減などが評価され、星2つを獲得している。
このラベルは、2026年5月下旬から「白バラ牛乳1000ml」に表示される予定。これまで牛乳を選ぶ基準は味や成分、価格などだったが、このラベルが導入されることで「環境への配慮」という新たな選ぶ理由が加わる。
ちなみにこの星は、地域の標準的な生産方法と比較して、温室効果ガス5%の削減率で星1つ、10%の削減率で星2つ、20%の削減率で星3つが表示される。
また、大山乳業の取り組みで特徴的なのが「バイオ炭」を活用した資源循環。
本来は廃棄されていた下水汚泥由来の炭化物を、重金属などを含まないバイオ炭へと転換し、農地に土中施用。そうすることで、CO2を土壌に長期貯留できるだけでなく、土壌の保水性や通気性向上、肥料の保持力向上にも役立てている。
また大山乳業はこの取り組みに対して、三光株式会社、一般社団法人C2Xと共同で、下水汚泥由来バイオ炭を活用したJ-クレジット認証を日本で初めて取得している。
2024年度には、鳥取県内の酪農家4戸、延べ117haの農地で試験導入され、年間200t-CO₂超の貯留効果を達成。さらに、堆肥づくりに必要な「おが粉」の不足という課題に対しても、この「バイオ炭」が代替資材として期待が寄せられている。
単なる酪農にとどまらず、視野を広げて環境課題に取り組んでいる大山乳業。テリトリーから1歩外へと踏み出す取り組みが、新たな波へと広がり始めている。
画像提供:大山乳業農業協同組合