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J:COMが、雪山で育てる未来。|U16アルペンスキー支援の舞台裏
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J:COMが、雪山で育てる未来。
U16アルペンスキー支援の舞台裏

投稿日時:2026.06.24

雪上を滑る技術だけでは、世界では戦えない。そんなアルペンスキー競技の現実に向き合いながら、J:COMが取り組んでいるのが、U16世代の次世代育成支援だ。海外遠征や合宿支援に加え、特徴的なのは「メディアトレーニング」という独自の取り組み。SNS時代を生きる若いアスリートたちに向け、自分の言葉で伝える力を育てる活動も行っている。

スポンサー活動にとどまらず、“挑戦を社会につなげる”ための支援。その背景やメディア企業ならではの視点について、JCOM株式会社 サステナビリティ経営推進室 サステナビリティ推進部の大里昌弘さんに、USME編集部が話を聞いた。

世界で戦うには、“日本の環境だけ”では足りない

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J:COMが取り組む「全日本アルペンスキーU16支援プロジェクト」は、来冬で9シーズン目を迎える。大里さんは、この取り組みを「次世代のチャレンジを支援するプロジェクト」だと話す。

「当社(J:COM)は、お客さまの豊かな“暮らし”を支える企業として、事業活動を通じたサステナビリティ経営を推進するため、4つのマテリアリティ(重要課題)とさらに具体化したサブマテリアリティを設定しています。

そのうちの1つが『次世代のチャレンジ支援』です。単なる大会協賛やスポンサー活動ではなく、U16世代の育成から、将来的に世界で活躍する選手の輩出を見据えた、中長期的なプロジェクトとして取り組んでいます」

アルペンスキーは、環境による影響が非常に大きい競技だ。雪質や地形に沿った斜面、それによるスピード感。世界基準は欧米にあり、日本国内でいくら練習を積んでも、海外に出たときに苦戦してしまうケースも少なくないという。

「公益財団法人 全日本スキー連盟からも、継続的に海外遠征や世界基準のトレーニング環境を確保することが大きな課題だと伺っています。私たちが直接雪質を変えることはできませんが、できる形で支援をしたいと思っています」

その一つが、海外遠征支援だ。一般社団法人ジャスト・ラビング・スキーが主催するクラウドファンディングへの協力や支援金などを通じて、若いうちから世界大会へ挑戦できる環境づくりを行っている。

“支援の輪”を広げるための発信

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J:COMの支援が特徴的なのは、「発信」そのものを支援の一部として捉えていること。支援金を提供して終わりではなく、プロジェクトそのものを社会に伝え、アルペンスキー競技への認知を広げていく。その積み重ねが、競技全体の未来につながると考えている。

「取り組みの発信を通じて、支援の輪を広げていきたいと思っています。クラウドファンディングへの参加が増えたり、アルペンスキー競技そのものの認知が向上したりすることで、未来の日本アルペンスキー界の発展にも貢献できるのではないかと考えています」
競技人口の少なさや、環境整備の難しさ。アルペンスキーには、他競技とは異なる課題がいくつもある。

その中で、J:COMグループのスポーツ専門チャンネル「J SPORTS」とも連携しながら、選手たちの活動や成長を継続的に発信している。
「選手の成長に触れると、自分たちの仕事が誰かの挑戦を支えているんだなと実感します」

プロジェクトに関わる人たちにとっても、選手の成長を一緒に見守る仲間としての意識が生まれているようだ。

「伝える力」も、これからのアスリートには必要

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このプロジェクトの中で、特にユニークなのが「メディアトレーニング」の取り組み。
競技力向上だけではなく、“自分の言葉で伝える力”を育てるためのプログラムが行われている。最初に始めたのは、テレビカメラの前で話すトレーニング。

「自分の滑りや結果を振り返りながら、インタビューで伝える力ですね。成果が出たときに、周囲への感謝を自分の言葉で伝えられることも、とても大事だと思っています」

講師を務めるのは、アルペンスキーのワールドカップ中継で実況を担当するアナウンサー。実際に世界トップレベルの選手を取材するプロが、選手たちに直接アドバイスを行っているという。さらに昨年からは、SNSに特化したトレーニングもスタートした。背景にあるのは、SNS時代ならではの変化だ。

「昔は、活躍するとスポーツ雑誌に取り上げてもらう、という流れだったと思います。でも今は、自分たちのアカウントで、自分の言葉を発信できる時代になっています」
SNSを通じて、自ら競技や活動を発信し、ファンや支援者との接点をつくっていく。現代のアスリートにとって、それも一つの重要な力になっている。

一方で、自らの発信にはリスクや責任を伴う。
「誤った発信や不適切な発言が、一瞬で広がってしまう時代でもあります。せっかく競技で積み重ねてきた努力を、そうしたことで失ってほしくないという思いもありました」
トレーニングでは、発信のテクニックだけではなく、“どう伝えるか”“何を発信するか”という視点も共有しているという。

社内の“知見”をスポーツ支援に活かす

メディアトレーニングには、J:COM社内の「情報リテラシーアドバイザー」も参加している。
「社内にあるナレッジやアセットを、選手支援に活用できないかというところから始まりました」

J:COMは主に放送・通信事業を行う企業である。そのため、情報リテラシー向上は、もともと事業活動の中でも取り組んできたテーマだ。
資金を提供するだけではなく、自社ならではの強みをどう還元できるか。その模索が、このプロジェクトの中に反映されている。

悔しさを記録し、次の挑戦につなげる

J SPORTSやYouTubeで放送・配信されている番組も、このプロジェクトの大きな特徴の一つだ。単なる競技映像ではなく、合宿や日常の様子、選手たちの言葉も含めたドキュメンタリー形式で構成されている。制作側が意識しているのは、「できるだけ多くの選手を記録として残すこと」だという。

「世界大会に出場する選手だけではなく、そこに届かなかった選手たちも含めて、記憶や記録として残したいと思っています」
中には印象的だったエピソードも。昨年、世界大会出場を逃した選手がいた。その悔しさが伝わる様子は映像にも残されていたという。

「その選手が、『悔しくて、あの映像を何回も見ました』と話してくれたんです」
そして翌年、その選手は自ら世界ユース大会への出場権を獲得し、現地でも好成績を残した。強化活動や競技結果だけではなく、その時の感情や悔しさまで含めて残っているからこそ、映像が“次の挑戦”につながっていくようだ。

選手だけではなく、支える側にも変化が

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プロジェクト開始当初、U16合宿では少ないコーチ陣で強化を行っていたという。
アルペンスキーは、斜面整備だけでも多くの人手が必要な競技。雪面は選手が滑るたびに削られ、コンディションが変わっていく。同じ環境を保つには、コース整備を行うスタッフが欠かせない。

当時はその環境を十分に整えられなかったが、近年は多くのコーチやスタッフが合宿に協力できるようになってきたという。
「この活動が継続してきたことで、少しずつ支援の輪が広がってきているのかなと感じています」
競技を支える人たちの意識や環境も、少しずつ変わってきているようだ。

“結果”だけではなく、“過程”を見てもらえた

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実際にU16プロジェクトを経験し、現在はワールドカップにも出場する渡邉愛蓮選手は、この取り組みについて「世界を目指すきっかけになった存在」だと話す。
「地元の中学校の部活動だけでは得られなかった経験でした」

中国遠征や全日本選手権の前走への参加を通じて、世界で戦う先輩選手たちを間近で見たことが、大きな刺激になったという。

「滑りだけじゃなくて、試合前のウォーミングアップや表情、試合への臨み方も全然違いました」
ただ技術を学ぶだけではない。トップ選手たちがどんな空気感で競技に向き合っているのか。その“姿勢”を肌で感じられたことが、渡邉選手にとっては大きな収穫だったようだ。
実際、2025/2026シーズンはワールドカップ6戦に出場。年間200日を超える海外遠征も経験している。

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J:COM賞授与の様子 左:JCOM株式会社 常務執行役員 大橋一博氏/右:渡邉愛蓮選手

「結果を残すのは、まだ自分にとって難しい部分もあります。でも、本当に貴重な経験をさせていただいて、また一つ成長できたかなと思っています」

ワールドカップ初出場を果たした選手に贈られるJ:COM賞についても、「結果だけではなく、ワールドカップに挑戦した“過程”を評価してもらえたことが嬉しかった」と語る姿が印象的だった。

“競技だけ”では届かない時代に

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J:COM賞を受賞し、自然体で取材に応じる渡邉愛蓮選手

「自分のU16時代にはメディアトレーニングがなかったので、私も今からでも受けたいくらいです(笑)」
そう笑いながら話していた渡邉選手だが、SNS時代のアスリートとして“何を発信するか”について、自分なりの考えも持っていた。

「アルペンスキーの楽しい部分を伝えるのも大切なんですけど、それ以上に、現場のリアルな声を発信していけたらと思っています」

選手にしか見えない景色。 競技の裏側。結果だけでは見えない葛藤。

「表面的な楽しさだけじゃなくて、選手だからこそ伝えられる言葉や写真があると思うので、そういうものを発信していきたいです」

競技人口が決して多いとは言えないアルペンスキーだからこそ、“競技を知ってもらうこと”もまた、選手自身の役割になっているのかもしれない。

ドキュメンタリーだから伝わる“裏側”

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J SPORTSやYoutubeで放送・配信されているU16プロジェクトの番組についても、渡邉選手は「競技の裏側を知ってもらえる貴重な機会」だと話す。
「アルペンスキーって、まず“スキーの中のどの競技?”って思われることも多いんです」

番組では、滑走シーンだけではなく、合宿や準備、トレーニングの様子まで描かれている。
「選手たちがどんな思いで準備して、どんなふうに競技に挑んでいるのか。そういう裏側を発信していただけるのは、本当にありがたいことだと思っています」
実際、取材を通して感じたのは、アルペンスキーという競技が、想像以上に“積み重ねのスポーツ”だということ。

雪質、天候、フィジカルコンディション。ほんの少しの違いが結果に直結する世界。その裏で、選手たちは膨大な時間をかけて準備やトレーニングを重ねている。だからこそ、単に「競技の形」だけではない、選手たちの表情や葛藤まで映し出すドキュメンタリーには、人の心を動かす力があるのだろう。

「まず楽しむこと」が、強さにつながる

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これから挑戦していくU16世代の選手たちへ伝えたいことを聞くと、渡邉選手は少し考えてから、こう答えた。

「どんなことも、まず楽しんで挑戦してみてほしいです」
スポーツの世界は、どうしても結果が求められる。それでも、「楽しむこと」が競技を続ける原動力になるという。

「結果を求めることももちろん大事なんですけど、挑戦することだったり、その過程を楽しむことが、本当の強さにつながると思っています」
世界の舞台に挑み続ける渡邉選手の言葉だからこそ、その言葉には説得力があり、本人もアルペンスキーを心から楽しんでいると感じられた。

“未来の挑戦”を支えるために

J:COMがこのプロジェクトで行っているのは、スポンサーとしての支援だけではない。発信、メディアトレーニング、J:COM賞。競技そのものだけではなく、“若者の挑戦が続いていく環境”を支える取り組みだ。

その背景には、「次世代のチャレンジを支援することが、地域社会の活性化につながる」という考え方があるように感じた。選手たちが世界へ挑戦すること。その姿を社会に届けること。そして、その挑戦を見た誰かが、また次の挑戦へ踏み出していくこと。J:COMの「全日本アルペンスキーU16強化支援プロジェクト」は、そんな循環を少しずつ育てている。

取材:USME編集部
写真提供:渡邉愛蓮選手/JCOM株式会社
写真:USME編集部

JCOM株式会社

住所 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館
公式サイト https://www.jcom.co.jp/corporate/
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