注目のタグ
投稿日時:2026.09.19
まだ食べられる食品が捨てられてしまう「食品ロス」。その原因は、家庭や飲食店での食べ残しだけではない。味や品質に問題がなくても、見た目やサイズなどの規格を理由に市場に出回らない農産物もある。こうした規格外品に、外食店を新たな販路として活用する取り組みが始まっている。
スーパーに出荷されない規格外品
廃棄または加工用にまわされるD品
食品ロスというと、家庭での食べ残しや賞味期限切れ、スーパーやコンビニでの売れ残りを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、生産段階でも、食べられる農産物が市場に出回らないケースがある。
その一つが、サイズや色、形状などが流通上の規格に合わない「規格外品」だ。
今回、焼肉店「焼肉ホルモンたけ田」が仕入れる山梨県産シャインマスカットの生産農家では、収穫量の約20%がサイズ・色・形状などを理由に値段のつかない規格外品に振り分けられ、これまで廃棄されていたという。規格外品全体の廃棄量を示す統計は定かではないものの、味や甘さに問題がなくても、見た目などを理由に市場へ出荷できない農産物が存在している。
生産者によると、傷や色むらといった見た目に加え、近年は気候変動によって従来とは異なる生育環境となり、やむを得ず廃棄するケースもあるという。
こうした規格外品を食品ロスにしないため、株式会社ミナモトが運営する「焼肉ホルモンたけ田」は、山梨県産の規格外シャインマスカット約2トンを直接買い取り、一部店舗で食べ放題メニューとして提供する。
規格外品を単に安く販売するのではなく、外食ならではの「食体験」に変えるのが今回の取り組みの特徴だ。同店では以前にも、市場に出にくい桃を食べ放題として提供。来店客の60%以上が桃のメニューを注文するなど、新たな需要につながったという。
生産者にとっては、これまで値段がつかなかった農産物に新たな販路が生まれる。飲食店にとっては旬の食材を使ったメニューとなり、消費者は規格外品を「おいしい体験」として楽しめる。
食品ロスを減らす方法は、廃棄される食品を減らすだけではない。これまで市場に乗りにくかった食材に、新たな流通先と価値をつくることも、食品ロス削減につながる選択肢の一つだ。
画像提供:株式会社ミナモト