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「再生プラスチック」とは?今、洗剤やシャンプーの容器が変わる理由
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「再生プラスチック」とは?今、洗剤やシャンプーの容器が変わる理由

投稿日時:2026.10.08

シャンプーや洗剤といった日常の消費材のパッケージに、「再生プラスチック使用」と書かれているのに気づいたことはあるだろうか。毎日目にしているのに、ほとんど意識することのないパッケージ。実はいま、中身ではなく“容器”のほうで変化が起きている。

再生プラスチックとは、そもそも何なのか。なぜ今、日用品のボトルが変わり始めているのか。その背景をひもといていく。

再生プラスチックとは? 知っておきたいリサイクルのこと

再生プラスチックとは、使用済みの製品や工場で出た端材のプラスチック、いわゆる廃プラスチックを、もう一度原料として使える状態にしたもののこと。国の定義では、家庭などから回収したもの(ポストコンシューマ材)と、製造工程で出たもの(プレコンシューマ材)の両方が含まれている。

プラスチックの「リサイクル」と聞くと、使い終わったボトルが新しい容器や製品になる姿を思い浮かべるかもしれない。だが、現実はもう少し複雑だ。

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リサイクルの手法は、溶かして原料に戻す「マテリアル」、化学的に分解して利用する「ケミカル」、燃やして熱を使う「サーマル」に分かれている。このうち主に「マテリアル」と一部の「ケミカル」が再びプラスチックの原料となる。

プラスチック循環利用協会によると、2024年に日本で出た廃プラスチック911万トンのうち、マテリアルは20%、ケミカルは3%で、サーマルが67%を占めている。低い割合でマテリアルリサイクルされたものも、約6割が海外へ輸出されているという。

データを見るかぎり、日本はまだ、プラスチックを「再生プラスチック」として国内で使い回すことが得意とはいえない状態だ。

企業がパッケージを再生プラスチックにシフトしている要因

そんななか、再生プラスチックへのシフトが進んでいるのが、シャンプーや洗剤といった日用品のパッケージ。

同協会によると、家庭やオフィスなどから出るプラスチックごみ(一般系廃棄物)の73%は包装・容器類だという。まさに日用品のパッケージが、循環のカギを握っているといえる。

そんな日用品のパッケージで再生プラスチック利用が増えている背景には、企業の動き、国の制度や法改正といくつかの流れが重なっている。

企業が牽引する再生プラスチックの採用

この流れを牽引してきたのは企業だ。グローバル企業は、法規制より前から自主目標を掲げてきた。たとえばユニリーバ・ジャパンは2019年から「ラックス」「ダヴ」などのボトルに再生材を採用している。

再生材は色味が残りやすく、いつもの透明感を出すために色の微調整の改良を重ねたという。今では「ラックス バスグロウ」のボトルは、添加材を除くと100%再生材でできている。消費者からは「いつものボトル」に見えるそれこそが、企業の見えない努力なのだ。

ユニリーバはグループ全体で、2025年に包装に占める再生プラスチックの比率25%を達成し、2019年比で新品プラスチックの使用を29%削減することに成功している。

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EUで進む包装規制(PPWR)とは
EUでは、2026年8月から包装規則(PPWR)の適用が始まり、企業は2030年からプラスチック包装に再生材の最低比率を求められるようになる。

たとえば飲料ボトルは、2030年に30%、2040年に65%の比率が求められる。これはEU企業だけが対象ではなく、EUで販売する商品が対象となるため、EU域外であってもグローバルに展開する企業は対象になる可能性がある。

そういった背景から、質のいい再生材が世界中で取り合いになり始めるという新たな局面を迎えている。経済産業省と環境省も、再生プラスチックをめぐる国際的な競争が激しくなっていると指摘している。

【関連記事】パッケージは「脱プラ」の次へ。欧米で進むサステナブルの最前線

日本でも始まった国の「再生プラスチック」認定

こうした企業の工夫を、国が評価する仕組みが日本でも動き出した。それが、プラスチック資源循環促進法に基づき、環境に配慮した設計の製品を国が認定する「設計認定制度」だ。

経済産業省と環境省によると、2026年2月に41件が初めて認定され、その後も認定製品は追加されている。

注目したいのは、再生材を使っているかどうかだけでは評価されない点だ。シャンプーなどの本体ボトルは、詰め替えできることが前提。そのうえで、プラスチックの減量、再生材の利用、リサイクルのしやすさで高い水準が求められる。

そのパッケージの製造から捨てたあとまでを通して評価する、本質的なサステナビリティにコミットした仕組みといえる。

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ちなみにこの認定の第1号に名を連ねたのは、洗剤容器では花王の「アタックZERO ワンハンドタイプ」で、ボトルに再生材を使い、ラベルを分離しやすくしている。化粧品容器ではユニリーバ・ジャパンが選ばれた。

一部企業に義務化、「利用計画」を求めるフェーズに突入

法律も動き出している。2026年4月施行の改正資源有効利用促進法により、自動車、家電4品目、プラスチック製容器包装のメーカーで、一定基準以上の企業には、再生プラスチックの利用計画の提出と毎年の報告が義務化された。

容器包装では、生産量などが年間1万トン以上の事業者が対象で、最初の計画提出は2027年9月末。まだEUの包装規則(PPWR)のように「何%使わなければいけない」という義務ではないが、計画を立てて国に報告する仕組みは、企業の背中を押す力になるはずだ。

食品と医薬品の容器は対象外だが、飲料用ペットボトルは対象。だが経済産業省によると、食品容器の扱いについても、今後議論される予定だという。

またペットボトルについては、2028年度までに再生プラの利用率を段階的に義務化することも検討されている。具体的な数値目標が課される日も、そう遠くないのかもしれない。

国内の上質な再生材が不足する課題も

企業も行政も動きだしているが、そう簡単には進まない側面もある。ユニリーバの発表によると、国内で質の高い再生材が手に入りにくく一部を海外調達に頼っていることや、高度なリサイクルの仕組みがまだ整っていないことを課題に挙げている。

実際に環境省や経済産業省の資料でも、家庭の容器包装から生まれる再生材はパレットなどに使われることが多く、高品質化は課題とされている。

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家庭でできる分別といえば、紙・プラ・缶・ペットボトルといった大まかな分別まで。だが実際には、「プラ」といっても、その中身はPP、PE、PSなど性質の異なる樹脂が存在している。質の高い再生材には、樹脂ごとに選り分ける工程が欠かせない。

しかしここは、消費者の分別の努力だけでは届かない領域でもある。分けやすい製品の設計、工場の選別技術、そしてわたしたちの分別。再生材の高品質化の課題には、それらの足並みが揃う必要がある。

プラスチックの循環のためにできること

企業や行政が再生プラスチックに取り組んでいる課題だが、私たち消費者にも大きな役割がある。

それはいつもの買い物と、ごみ出しの分別。そもそも資源を無駄にせず長く使う努力と、廃棄する際にはルールを把握し分別を徹底すること、そして再生プラスチックの製品を後押しすることだ。

次に日用品を買うときに容器の説明書きに注目してみると、プラスチックを資源として生かそうとする企業の努力が見えてくるかもしれない。そして、それを受け取った消費者である私たちも、この取り組みの大事なパートを担っていることを心にとめておきたい。

Photo:Magnific

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