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投稿日時:2026.05.14
災害が起きたとき、多くの人が身を寄せる避難所。そこは命を守るための大切な場所である一方で、長引く避難生活による心身への負担も大きな課題として知られている。
株式会社LIFULL ArchiTechは、そんな避難所の課題を解決する「インスタントルーム」の販売を開始した。
株式会社LIFULL ArchiTechが販売を開始した「インスタントルーム」は、避難所向けの個室空間。ダンボールの多層構造を活用し、断熱性とプライバシー性を備えている。
近年の災害では、避難所の環境改善の必要性がたびたび指摘されており、とくに学校の体育館など公共施設を利用した集団避難では、寒暖差による体調悪化や感染症リスクのほか、着替えや睡眠時のプライバシー不足などが大きな負担となっている。
内閣府の令和5年の調査では、災害関連死184人のうち123人が、避難生活による肉体的・精神的負担に起因していたとされている。避難所の環境をどう整えるかは、単なる“快適性”ではなく、人の命や健康に直結するテーマなのだ。
画像出典:5日で5000枚の約束。(URL:https://tataminoyakusoku.net/)
「インスタントルーム」は、令和6年能登半島地震の被災地でも活用され、授乳室やおむつ替えスペースとして実際に使用された経験をもとに、今回さらに改良を加えて製品化された。
「インスタントルーム」は、ダンボールの多層構造を活用した個室空間。工具不要で設営でき、大人2人で約15分あれば組み立てが完了するという利便性も兼ねている。余裕のない避難所では、その簡易さも意味を持つ。
ダンボール素材と聞くと簡易的な印象を持つかもしれないが、断熱性や遮音性も配慮され、避難所の中でも落ち着いて過ごせる空間づくりができる。
サイズは約2メートル四方、高さ約2.7メートル。ひとりで横になるだけでなく、家族単位での利用や、授乳室、着替えスペースとしても活用できるよう、ユニットを連結して広さの調整も可能。多様なニーズに応えられる設計になっている。
また、避難所では感染症も懸念のひとつだが、空間を分けられることは感染症対策としての役割も期待されている。
さらに、パーツ交換がしやすい構造になっており、汚れや破損があっても必要部分のみをパーツで交換することが可能。役目を終えた後はリサイクルにも回せるなど、災害後の廃棄物削減にも配慮されている。
災害が多い日本では、避難所生活は誰にとっても人ごとではない。こういったアイディアが避難所の環境改善につながっていくことを期待したい。
画像提供:株式会社LIFULL