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カカオ不足で近づいてきた|“カカオフリー”チョコレートの未来
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カカオ不足で近づいてきた
“カカオフリー”チョコレートの未来

投稿日時:2026.06.21

気候変動による天候不順、主要産地での病害、農園の老朽化、そしてカカオ価格の高騰。チョコレートの生産の現場では、原料を安定して確保することが以前より難しくなっている。

そんななか、ドイツに本社を置く世界有数の食品・飲料向け原料の大手メーカーのDöhler Groupが、英国スタートアップNukokoを買収し注目を集めている。Nukkokoが提供するのは、カカオを使わずにチョコレートのような風味をつくる「カカオフリー」素材だ。

Döhlerのような大手が動き出したことで、これまで少し未来の話に見えたカカオフリー食品が、いよいよメインストリームとして現実味を帯びてきた。

なぜ今、カカオを使わないチョコが求められているのか

カカオの生産は、西アフリカなど特定地域への依存度が高く、気候や病害、物流の混乱、価格変動の影響を受けやすい。さらに近年では異常な気候変動の影響が高まり、カカオの安定した調達のハードルが上がってきた。

カカオ不足で近づいてきた|“カカオフリー”チョコレートの未来イメージ画像

実際に日本でも、チョコレートの値上げのニュースを聞いたことがある人は多いのではないだろうか。

「チョコレートがなくなる」という極論まではまだ至っていないが、これまでと同じ価格、同じ量、同じ味で楽しめるとは限らない時代に入りつつある。カカオフリー素材は、そうした不安定さに対応するための新しい選択肢だ。

そら豆から“チョコらしさ”をつくる技術

Döhler Groupが買収したNukkokoの特徴は、そら豆を発酵・焙煎することで、チョコレートのような風味を持つ素材を開発している点だ。

甘い香料を加えた代替品ではなく、発酵、乾燥、焙煎、粉砕といった工程を通じてチョコレートに近い香りや味わいを再現し、カカオに近い風味の土台を別の豆から作っている。

カカオ不足で近づいてきた|“カカオフリー”チョコレートの未来イメージ画像

今後カカオフリー素材は、チョコレートだけでなく、焼き菓子、アイス、ドリンク、プロテインバーなどチョコ風味を使う食品での使用が広まっていく可能性がある。Nukkokoを買収したDöhler Groupが、どのような食品でどう活用を広めていくのか注目だ。

チョコだけではない、身近な嗜好品の未来

カカオフリー素材の登場は、新技術の登場としてただ楽観的に捉れられるものではない。気候変動がもたらしたものであり、その影響はチョコレートだけでなく、私たちが日常的に楽しんできた嗜好品でも広まっている。

たとえばコーヒー業界では「2050年問題」が以前から懸念されており、アラビカ種を中心とした栽培適地が2050年までに現在の約半分まで減少する可能性が指摘されている。

またワイン用ブドウも、気温や降水量の変化によって、産地や収穫時期、味わいが変わりつつあり、ワイン産地の最大70%が現在の品質での生産ができなくなる可能性が指摘されている。

カカオ不足で近づいてきた|“カカオフリー”チョコレートの未来イメージ画像

チョコレート、コーヒー、ワイン。どれも身近な嗜好品として存在してきたものだ。けれどそんな日々の小さな楽しみにも、気候変動の影が近づき始めている。いずれ“本物”を口にすることが難しくなる日も来るかもしれない。

これからはソリューションとしての新しい技術が次々と誕生するだろう。しかしそれと同時に、その技術を必要とするほど地球環境が変化していることにもしっかりと目を向けておきたい。

画像提供:Freepik

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