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サステナビリティを“やめた”のではなく“黙った”? |米企業に広がる「グリーンハッシング」
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サステナビリティを“やめた”のではなく“黙った”?
米企業に広がる「グリーンハッシング」

投稿日時:2026.07.27

グーグルの親会社アルファベットをはじめ、アメリカの大企業から「ESG」という言葉が次々と姿を消している。ESGとは、企業を「儲かっているか」だけでなく、「環境に配慮しているか」「社会や従業員を大切にしているか」「不正なく経営されているか」まで含めて評価する考え方のこと。

しかし、この言葉が減っているのは、企業が取り組みをやめたという意味ではないという。今、アメリカ企業で広がっているのは、「やる」けど「言わない」という新しい戦略「greenhushing(グリーンハッシング)」だ。

「言わなくなった」だけで「やめた」わけではない

EcoVadisの調査によると、87%の企業が環境への投資を維持・増加させている一方で、約3分の1は、あえてその発信を減らしていると回答したという。

米国の主要企業500社でも、87%が気候目標を掲げているにもかかわらず、報告書に「ESG」という言葉を使う企業は25%まで減少。2024年の40%から半分近くにまで下がっている。

実際の取り組みは続いているのに、なぜ言葉だけが企業の発信から消えているのか?

企業が“だんまり”を選ぶ理由

背景にある理由のひとつは、アメリカのトランプ政権がESGに批判的な姿勢を強めていること。政府自体が「環境への配慮を重視しすぎる経営」に否定的な立場を取っているため、企業は目立つことを避けるようになっているという。

サステナビリティを“やめた”のではなく“黙った”? |米企業に広がる「グリーンハッシング」イメージ画像

また、理由はそれだけではない。「環境に良いことをアピールしすぎる」と、実態が伴わない誇大表現として訴えられるリスクがある。いわゆる見せかけのエコ「グリーンウォッシング」への指摘だ。

さらにその一方で、保守的な立場の州当局からは、「投資家に知らせないまま、こっそり環境配慮を経営判断に組み込んでいた」として訴えられるケースも出てきているという。

今企業はアピールしても、隠しても、どちらも訴えられる可能性があるという、板挟みの状態に置かれている。

“だんまり”が生む企業リスクも

GlobeScanが31カ国・3万人以上を対象に実施した調査では、企業のサステナビリティに関する発信を見かけたという消費者は、2025年には36%まで減少。2023年の49%から大きく下がっている。

一方、PwCが31カ国で実施した調査では、生活費の高騰が続く中でも消費者の8割が「サステナブルな商品にはより多く支払ってもよい」と回答しており、需要そのものが消えたわけではないことがうかがえる。

実際に小売大手「ターゲット」が多様性への取り組みをやめた際には、客足が約8週間落ち込んだという。発信をやめれば訴えられるリスクは避けられても、消費者からの信頼を得るチャンスそのものを失うことにもなる。

アメリカ企業で複雑化するサステナビリティについての立ち位置。日本企業の取り組みも進んできた今、いずれ同じ問題は訪れるのだろうか?

Photo: Magnific

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