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投稿日時:2026.08.21
ヨガウェアのマーケットを牽引してきたブランド、ルルレモン。そんなルルレモンが、フランスのスタートアップSynteticaへの出資を発表した。狙いは、レギンスなどに欠かせないナイロンの“リサイクル不可能”問題を解決することだ。
またSynteticaのCEOマルコ・ベルトーネ氏によると、今回の出資においてルルレモンは出資が発表される前から約2年間、非公開で協業を重ねてきたという。技術が確立する前から伴走するという異例のサポートをしてきた背景には、何があるのか。
繊維業界団体Textile Exchangeによると、世界のナイロン生産量は年間およそ700万トンにのぼるが、そのうちリサイクルナイロンが占める割合はわずか2%程度。
その主要原因のひとつは、衣類に使われるナイロンの種類は代表的なものとして「ナイロン6」と「ナイロン66」という化学的に異なる2種類が存在し、これまでは分別しなければリサイクルできなかったことにあるといわれている。混ざり合った状態の廃棄ナイロンは、複雑さゆえにコストが見合わないとされ、長年“リサイクル不可能”とされてきた。
フランスのスタートアップSynteticaが開発したのは、この2種類を分別せずにそのまま処理し、新品同様の品質のナイロンへと再生する技術。
同社はシリーズAで3,000万ドルを調達し、ルルレモンに加え、大手アパレル製造会社のMAS Holdingsも出資に参加した。ヴィクトリアズ・シークレットやEtamといった他ブランドともに協業しているという。早ければ来年にも、この技術で作られた製品が市場に出る見込みだ。
今回の出資の背景にはアパレル業界全体の切実な事情もある。
世界の主要アパレルブランドの多くが、科学的根拠に基づく脱炭素目標「SBTi」への署名を進めており、例えばナイキも2027年までに製品の再生素材化を進める目標を掲げるなど、業界全体で“脱・バージン素材”への移行が進みつつある。
ナイロンは石油由来で生産時に大量の温室効果ガスを排出するうえ、自然界でほぼ分解されず、環境観点においては悩みの多い素材だ。一方で再生ナイロンは、新品のナイロンに比べて製造エネルギー使用量を抑えられるとする試算もある。
こうした目標を果たすためにも、Synteticaのような技術はアパレル業界にとって、「あれば嬉しい」ではなく「なければ困る」存在になりつつある。そして消費者の目線も年々厳しくなっている。
そんな流れの中で新たな技術が誕生し、大きな課題を抱えてきたナイロンにも違う未来が見えてきた。革新的な技術がどのように社会を変えていくのか、その行き先にも注目だ。
Photo: Magnific