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投稿日時:2026.04.18
欧米でスーパーマーケットを展開する世界有数の小売企業アホールド・デレーズが、同社が販売する製品単体ごとの温室効果ガス排出量を把握するため、製品カーボンフットプリント(PCF)機能を導入すると発表した。
世界で数千店舗を展開するアホールド・デレーズが導入を決定した製品カーボンフットプリント機能(PCF)とは、商品やサービスのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算し、分かりやすく表示する仕組みのこと。
PCFを導入するに至った背景にあるのは、同社の温室効果ガス排出の構造だ。同社は、2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出をネットゼロにすることを掲げている。
しかし、現在同社の排出量の約95%はバリューチェーンに存在しており、そのうち80%が販売製品に紐づくものだという。販売している「商品そのもの」が、気候負荷の大半を占めているという現実が浮き彫りになっている。
同社は次のように述べている。
「世界中の何千ものサプライヤーや農家から調達された何十万点もの製品を扱う当社のバリューチェーンは、大規模で多様かつ複雑です。これらの影響をより正確に理解することは、リスクの管理、レジリエンスの強化、そして十分な情報に基づく意思決定を行うために不可欠です」
これまで同社は、製品の排出量を業界平均データに基づいて推計してきた。しかしPCFの導入によって、製品ごとに排出量の実態をより詳細に把握できるようになる。
この取り組みにあたっては、サステナビリティ・インテリジェンス企業HowGoodと提携し、同社のプラットフォームを活用するほか、サプライヤーとの直接的なやり取りを通じてデータの精度を高めていく。
各サプライヤーが実施している排出削減の取り組みも、データとして反映されるという。
同社は今回の取り組みについて、「製品レベルでのより精緻な洞察は、当社のバリューチェーンの脱炭素化を進める助けとなる」と話している。
これまで採用されてきた業界平均データから製品単体の精密なデータに変わることで、製品のサステナビリティが比較要素に加わるため、今後は排出量の少ない商品を優先的に扱うといった商品戦略にもつながる可能性がある。
こういった取り組みが広がっていけば、製品を販売する企業にとっては、製品のサステナビリティが消費者へのアプローチだけでなく、販路獲得にも影響を及ぼすことが考えられる。
気候変動への対応が企業活動の前提となりつつあるなか、「何を売るか」だけでなく「どのように作られたものを売るか」が問われる時代へと移行している。アホールド・デレーズの取り組みは、その転換点を示す一例といえるだろう。
画像提供:Freepik