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「捨てない」の前に、「おいしくする」を考える。|老舗和菓子店が始めた地域との新しい向き合い方
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「捨てない」の前に、「おいしくする」を考える。
老舗和菓子店が始めた地域との新しい向き合い方

投稿日時:2026.06.19

規格外の野菜や傷ついた果実、製造工程で生まれる未利用資源。行き場を失いがちな地域の素材に目を向け、和菓子として新たな価値を生み出す取り組みが愛知県豊橋市で始まっている。

老舗和菓子店・お亀堂が挑むのは、「捨てないため」だけではない、素材の魅力を活かす新しい菓子づくりだ。

規格外の素材に目を向けた老舗和菓子店

「捨てない」の前に、「おいしくする」を考える。|老舗和菓子店が始めた地域との新しい向き合い方イメージ画像

スーパーに並ぶ野菜や果物は、形や大きさがそろっているのが当たり前になっている。
その一方で、生産現場では味や品質に問題がなくても、規格に合わないだけで流通に乗らない農産物が少なくないという。

創業75年以上のお亀堂は、そうした地域の素材を活用したサステナブル和菓子プロジェクトをスタートした。対象となるのは規格外野菜や傷ついた果実だけでなく、企業の製造工程で生まれる未利用資源まで幅広い。背景には、「和菓子だからこそ活かせる素材があるのではないか」という発想がある。

和菓子だからできる素材の活かし方

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和菓子は、素材をそのまま見せる料理ではない。
蒸したり、炊いたり、包んだりする工程を通して、素材の持ち味を引き出していく。その特徴を活かし、お亀堂では市場に出せなかった大きなサツマイモを鬼まんじゅうに、傷のあるイチジクをゼリーやガレットに、小粒のイチゴを丸ごと包んだ大福へと商品化している。

印象的なのは、「規格外だから使う」という考え方ではなく、「その素材だからこそ生まれるおいしさ」を探していることだ。
見た目では評価されなかった素材が、新しい菓子として店頭に並ぶことで、別の価値を持ち始めている。

地域の企業とも広がる取り組み

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このプロジェクトは農産物だけにとどまらない。
地元企業が製造するたれの工程で生まれる旨味調味液を活用し、みたらし団子のたれとして商品化した例もある。

通常であれば活用が難しい副産物に着目し、試作を重ねることで新しい味わいへとつなげたという。地域企業や金融機関との連携も進めながら、「地域の中に眠る資源」を見直す取り組みへと広がっている。

「どう活かすか」という視点

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最近は食品ロスという言葉を耳にする機会が増えた。
その一方で、今回の取り組みを見ていて感じたのは、「捨てないこと」が目的ではなく、「どうすれば一番おいしく活かせるか」を考える姿勢だった。

和菓子は、昔から季節の素材を使い切る知恵や工夫とともに発展してきた文化でもある。だからこそ、地域で生まれた素材をもう一度見つめ直し、新たな一品へと変えていくことは、和菓子本来の役割を現代に重ねる試みなのかもしれない。


画像提供:株式会社お亀堂

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