注目のタグ
投稿日時:2026.09.06
毎日の暮らしや施設から出る生ごみを、廃棄物ではなく地域の資源として生かす動きが広がっている。川崎市の夢見ヶ崎動物公園では、動物たちの食べ残しをコンポストで堆肥化し、農作物の栽培や商品開発につなげる取り組みが始まった。生ごみを起点に、地域のなかで資源と収益を循環させる新たな試みだ。
家庭や飲食店だけでなく、多くの人が利用する施設でも日々生ごみは発生する。川崎市幸区の夢見ヶ崎動物公園では、動物たちに与える野菜や果物などのエサから食物残さが生じている。
そこで始まったのが、川崎市と三菱化工機が進める「夢見ヶ崎プロジェクト」だ。2026年6月に両者が締結した「川崎市における循環型社会の実現に関する連携協定」に基づき、公共施設から出る未利用資源を地域で循環させる仕組みづくりを進めている。
今回、食物残さの堆肥化に導入されたのが、komhamの生ごみ処理機「スマートコンポスト®」である。独自開発した微生物群「コムハム」を活用し、生ごみを最短1日で最大98%まで分解できるという。通常は数週間から数か月を要する生ごみの堆肥化を高速化できるのが特徴だ。
さらに、AC電源や排水処理を必要とせず、ソーラー発電で自動駆動する。投入した生ごみ量や分解量、温室効果ガス排出削減量などをクラウド上で確認することも可能だ。
このプロジェクトの特徴は、生ごみを堆肥にして終わらないことにある。
動物公園で発生した食物残さを堆肥化し、その堆肥を使ってホップやレモングラスなどを栽培。さらに地域の企業や団体と連携して商品を開発・販売し、得られた収益の一部を動物公園の運営へ還元する計画だ。
「廃棄→処理」ではなく、「処理→生産→消費・使用」へと地域内でつなぐ仕組みになっている。
komhamでは今回の取り組みを、単なる生ごみ処理設備の導入ではなく、地域で発生する有機資源を事業者や施設とつなぎ、継続的な循環を生み出すための検証機会と位置づけている。今後は動物公園や公共施設だけでなく、食品工場や商業施設、宿泊施設などへの展開も目指すとしている。
捨てればごみになる食べ残しも、堆肥に変え、地域の農業や商品づくりにつなげれば新たな資源になる。身近な生ごみを地域のなかでどう循環させるか。その仕組みを考える一つのモデルとなりそうだ。
画像提供:株式会社komham