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投稿日時:2026.10.29
全国でスキー場の閉鎖が進んでいる。営業を終えたスキー場を、地域の資源としてどう生かしていくかも課題だ。
岡山県西粟倉村では、閉鎖したスキー場の斜面を活用し、四季を通じて楽しめるアクティビティパークを整備する計画が始動した。スキー場が閉鎖される理由と、跡地を新たな観光拠点へと生まれ変わらせる取り組みを紹介する。
全国のスキー場は、1998年の720か所をピークに減少し、2019年には481か所となった。(※1)約20年間で、3分の1にあたる239か所が減少した計算だ。背景には、スキー人口の減少や気候変動による雪不足、施設の老朽化など、複数の要因がある。特に、リフトなどの設備は維持や更新に多額の費用がかかるため、利用者が減少するなかで運営を続けることは容易ではない。
岡山県北東部に位置する西粟倉村の「大茅スキー・キャンプ場」も、こうした課題に直面した施設の一つだ。昭和40年代から、冬はスキー場、春から秋はキャンプ場として親しまれてきたが、近年の降雪量の減少やリフトの更新が必要になったことなどから、2022年3月末にスキー場の営業を終了。キャンプ場も施設の老朽化などで利用者が減り、年間1,000人に満たない状況となっていた。
こうしたなか、観光庁は2026年3月、スキー場を冬季だけでなく年間を通じて楽しめる「マウンテンリゾート」へ転換する方向性を示した。雪に依存しない観光のあり方が、全国のスキー場に求められている。
(※1) 三井住友トラスト基礎研究所「スキー場運営の現況と官民連携手法を活用した再生戦略について」レポート(2025年3月)より
西粟倉村では、スキー場跡地を再び人が訪れる場所にするため、民間企業と連携した再整備を進めている。事業を担うのは、面白法人カヤック、キャンプサイト、佐藤建設の3社による「大茅コクリエイト事業開発合同会社」。2028年春、アクティビティパーク「MOUNTAIN TRACK おおがや」の開業を予定している。
目玉となるのは、かつてのゲレンデの斜面を生かした全長330mの舗装コース「スネークラン」だ。スキー場跡地の斜面に整備する常設の舗装スネークランとしては、国内初となる予定。スケートボードやBMXなどで、山の起伏を利用した滑走を楽しめる。
さらに、県産材を使用した宿泊キャビンやサウナ、西粟倉村の木材を使った屋内アスレチックなども整備。季節や天候に左右されにくく、子どもから大人まで楽しめる施設を目指す。この計画には、施設単体の集客にとどまらない狙いもある。
人口約1,300人の西粟倉村は、「百年の森林構想」を掲げ、森林資源を生かした地域づくりを進めてきた。一方で、一般の旅行者が宿泊しながら村を楽しむための観光コンテンツや受け入れ体制には課題があった。新施設を起点に、村内の飲食店や温泉、森林体験などへ観光客が足を延ばすことで、地域全体への経済効果も期待される。
雪が降らなくなったスキー場を、使われなくなった場所として終わらせない。既存の地形や地域の森林資源を生かし、新たな人の流れを生み出す西粟倉村の取り組みは、全国のスキー場跡地の活用を考えるうえでも、一つのモデルとなりそうだ。
画像提供:株式会社カヤック