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賃貸でも自家発電?コンセントに挿すだけのソーラーが欧米で拡大
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賃貸でも自家発電?コンセントに挿すだけのソーラーが欧米で拡大

投稿日時:2026.11.03

ソーラーによる自家発電といえば戸建てだが、欧米では賃貸マンションのベランダで電気をつくる、そんな暮らしが始まっているという。

ベランダでの発電をかなえる「プラグイン型ソーラー」、通称「ベランダ太陽光」とは、どんなものなのだろうか。

コンセントに挿すだけのベランダ発電

プラグイン型ソーラーは、1〜数枚ほどのパネルと、太陽光でつくった電気を家庭で使える電圧や周波数に変える小さな装置(インバーター)でできている。プラグをコンセントに挿すことで、パネルでつくった電気が家の中に流れ、そのまま家電に使用できる仕組みだ。

屋根に設置するソーラーほどの発電量は見込めず、アメリカの非営利団体Utah Clean Energyによると、得られる電力は平均的な家庭の使用量の1〜3割程度とされている。冷蔵庫や照明、待機電力など、日々の「ちょっとした電気」をまかなうイメージだ。

先行するドイツでいち早く広まった理由

ヨーロッパにおけるプラグイン型ソーラー最大の市場とされるのがドイツ。ドイツのエネルギー情報サイトが連邦ネットワーク庁の登録簿を集計したところ、2026年9月初めの時点ですでに約150万台が登録されているという。ドイツでは、家具大手のIKEAでも提携企業のセットが販売されているほどの浸透ぶりだ。

広まるきっかけとなったひとつは、2017年にドイツの電気製品の認証団体VDEが、ベランダ太陽光を認める最初の指針をまとめ、メーカーが広く販売できるようになったこと。そしてその後、2022年にロシアのウクライナ侵攻で電気料金が高騰したことで、さらに関心を持つ人が増えたという。

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ドイツでは規制の緩和も段階的に続いており、制度が整ってきている。2023年1月にはパネルなどの付加価値税が0%になったとされ、2024年5月には、出力の上限が600ワットから800ワットに引き上げられ、届け出も国の登録簿へのオンライン登録だけで済むようになった。

さらに2024年からは、賃借人や集合住宅の所有者が自分でバルコニーに設置できるようにもなっており、法や規制の整備がドイツでの浸透のカギとなっていることが見受けられる。

アメリカでは10州で法制化、イギリスでも今年8月から

一方アメリカでは、2025年春にユタ州が初めて法律で認めている。その後、コロラド、コネチカット、メイン、メリーランド、ニューハンプシャー、ニュージャージー、バーモント、バージニア、カリフォルニアの9州が続く。

10月上旬の時点で、ニューヨーク州でも知事の署名待ちの法案があり、ほかにも20州あまりで同様の法案が出されているという。今後さらなる拡大が予想される。

これまでアメリカでは、電気をつくる装置を家の配線につなぐには、電力会社との接続契約や許可が必要とされてきたが、こうした法律は小さな機器の利用においてその手間を省くものだ。

ただし、認証を受けた機器を使うなどの条件がある。たとえばカリフォルニア州の法律は、1世帯あたり1,200ワットまでの認証を受けた機器を対象に、2027年1月からの施行を予定している。

一方、カリフォルニア州の法律が変えるのは、主に電力会社との手続きであって、家主や管理組合の許可までは変えないとされている。州によっては、管理組合の規約による禁止を認めない規定を設けたところもあるため、この項目はひとつのポイントといえそうだ。

また、イギリスでも政府が今年3月、低価格のプラグイン型ソーラーを利用できるようにすると発表し、8月27日からイングランド、ウェールズ、スコットランドで合法になった。

出力800ワットまでの電池のない一式の機器が対象で、業界団体の登録簿に載った安全基準を満たす製品に限られている。

なぜ今、欧米で広がり始めているのか

プラグイン型ソーラーが広がっている背景には、いくつかの理由が重なっている。

まず大きな要因は、電気料金の高騰と、エネルギーの安全保障への不安。ヨーロッパでは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻で電気料金が高騰したことにより関心が高まり、さらに2026年にはイランをめぐる戦争がエネルギー価格を押し上げたことで、化石燃料への依存を減らそうという動きが強まっている。

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しかし、賃貸や集合住宅では屋根のパネルが認められない場合があり、プラグイン型はその代わりの役割を果たしている。

イギリスではエネルギー相が、イランをめぐる戦争が化石燃料市場の支配から逃れるためのクリーン電力の必要性をあらためて示したと説明し、屋根のソーラーを選べない賃貸では、プラグイン型ソーラーが簡単な手段だとしている。

また、機器が手ごろになったことも、この広がりを後押ししている。先行しているドイツでは、ベランダ用パネルは数年で半額になり、小型のものは約200ユーロ(約3万5,000円)で買えるという。またドイツでの成功が、他国の手本にもなっている点も大きい。

ベランダで電気をつくる暮らしは、日本にも来るのか

欧米で広がりを見せている、賃貸でもできるプラグイン型ソーラー発電。賃貸に限らず、持ち家であっても屋根につけるコストが重い人にとっては気軽な選択肢といえる。

世界情勢の不安のほか、AIの普及で電力需要が増えており、エネルギー供給は今後さらに重要になる課題だ。欧米でベランダや庭先で電気をつくる暮らしが少しずつ身近になってきているなか、日本でもこうした暮らしが広がる日が来るのだろうか。

Photo:Magnific

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