注目のタグ
投稿日時:2026.09.09
子どもが不登校や行き渋りになったとき、親は仕事をどうすればよいのか。実は一定の条件を満たせば、「介護休業」や「介護休暇」を利用できる場合がある。しかし、サイボウズ ソーシャルデザインラボの調査では、このことを知らない働く親が6割を超えた。不登校と仕事の両立を支える、意外と知られていない制度について見ていこう。
介護休業と聞くと、高齢の親などを介護するための制度をイメージする人も多いだろう。しかし、不登校の子どもへの対応にも利用できる場合がある。
厚生労働省の2025年1月の報告書では、不登校の状態にある対象家族が「常時介護を必要とする状態」に該当するかどうかは、定められた基準に照らして判断するとしている。
また、文部科学省と厚生労働省が2025年11月に公表した事業主・労働者向け資料でも、不登校の児童生徒が「常時介護を必要とする状態」に該当し、保護者の「対象家族」である場合、介護休業・介護休暇制度などを利用できると案内している。
ただし、不登校であれば誰でも利用できるわけではない。個々の状態が基準に該当するかどうかによって判断される制度である。一方、この選択肢はまだ十分に知られていない。
サイボウズ ソーシャルデザインラボが、企業で正社員として働く子育て中の親1,000人を対象に実施した調査では、63.3%が「介護休業が不登校対応にも使える場合がある」ことを知らなかった。不登校や行き渋りを経験した親500人のうち、実際に介護休業を利用した人は3.0%にとどまった。
制度を利用していない背景には、「必要がない」だけではなく、そもそも選択肢として知られていない可能性がある。
同調査では、介護休業について案内されていれば、条件に該当する場合に「活用したい」と答えた親は71.6%に上った。なお、調査では不登校を経験した親のうち実際に制度の条件に該当した人が何人いたかまでは明らかになっていない。
そして、知らないのは親だけではない。企業の人事担当者500人の70.4%も、不登校対応に介護休業を利用できる場合があることを認識しておらず、制度を積極的に周知している人事担当者は19.4%にとどまった。
不登校の子どもを支えながら仕事を続けるには、在宅勤務や時短勤務だけでなく、状況によっては介護休業など既存制度も選択肢になり得る。制度があっても、その存在を知らなければ利用にはつながらない。「困ったら相談する」だけでなく、企業側から利用できる可能性のある制度を伝えておくことも、不登校と親の仕事を両立するための支援になりそうだ。
画像提供:サイボウズ株式会社