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「更年期の不調」に世界初の国際規格、職場のサポートに新たな指針
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「更年期の不調」に世界初の国際規格、職場のサポートに新たな指針

投稿日時:2026.10.28

職場で、更年期の話題が出たことはあるだろうか。英国規格協会(BSI)が7カ国の女性約6,500人に聞いたところ、約6割が「会社が更年期の支援について自発的に話すのを聞いたことがない」と答えたという。

月経や更年期の不調は、何百万人もの人が働きながら経験しているにもかかわらず、依然として職場では話しづらい話題だ。そんななか9月、企業向けの世界初の「国際規格」が公開された。

月経や更年期についての世界初の国際規格「ISO 45010」とは?

ISO(国際標準化機構)とは、世界共通の「ものさし」をつくる国際組織のこと。たとえば、コピー用紙のA4サイズや、為替の「JPY(円)」「USD(ドル)」といった通貨コードも、ISOが決めた国際規格にもとづいている。企業の技術情報などで、「ISO(番号)」の形式を見たことがある人も多いのではないだろうか。

ISOは、国や企業ごとにバラバラだと不便なことを、世界で共通のルールにそろえる役割だ。そんなISOが9月7日、月経と更年期に職場でどう向き合うかをまとめた「ISO 45010」を発行した。

これは法律のような決まりではなく、「こうすると良い」を示した指針だ。経営層や管理職、人事や安全衛生の担当者向けに、職場の文化づくり、管理職への研修、職場の設計、症状に合わせた働き方の調整などが盛り込まれている。

「更年期の不調」に世界初の国際規格、職場のサポートに新たな指針イメージ画像

今回特筆すべき点は、ISOの規格は通常であれば有料で販売されるものだが、「ISO 45010」は世界中の企業が参考にできるよう、オンラインでの閲覧に限りあえて無料で公開された点だ。今回の「ISO 45010」では、男性の更年期は対象外となっているが、提案の多くは役立つとされている。

また、月経への対応も含まれており、たとえば生理用品を職場で無料で使えるようにする、使用済みの生理用品を安全に処分できる設備を整える、といった具体策が盛り込まれている。

BSIによると、この規格の土台になったのは、2023年にBSIが発行した同じテーマの指針だという。企業や労働組合、支援団体の代表などが参加し、一般からの意見募集も行って作られたもので、発行以来、147の国と地域で1万3,000回以上ダウンロードされているという。

「話してもらえない」が最初の壁

BSIが行った調査では、68%が「企業には支援する役割がある」と答え、7割が「明確な手順や方針がほしい」と回答している。その一方で、6割は、会社が更年期の支援について自発的に話すのを聞いたことがないと回答している。

BSIの担当者は、話題にされる機会は増えたものの、意識と行動の間にはまだ大きな差があると指摘している。

実際に、欧米では更年期をケアする商品やサービスは増えており、イノベーションが進んでいるカテゴリーでもある。日本でも女性だけでなく、男性の更年期についても認知が広まりつつある。しかし、社会としての取り組みは、世界的に見てもまだまだ課題があるようだ。

イギリスでは法律による動きも

イギリスでは規格とは別に、法律による動きも進んでいる。雇用権利法にもとづき、従業員250人以上の企業は、賃金の男女格差を縮める取り組みと、更年期の従業員を支える取り組みについて、政府が用意した18の具体策から少なくとも2つ(それぞれ1つ以上)を選び、「行動計画」として公表することが求められるようになる。

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2026年4月から任意で、まだ法令の整備が必要だが、2027年春から義務化される見通しだという。対象となるのは、イングランド、スコットランド、ウェールズの企業。この法律のポイントは、何をするかは企業が選べるが、その中身は世の中に公開されることだ。

今回のISO規格の土台となる指針をいち早く公開してきたイギリスだけに、この取り組みがどのような流れを生み出すのかも気になるところだ。

従業員の我慢に頼らない職場が、世界の基準へ

ISOの規格は参考にできる手引き、イギリスの行動計画は義務になる見通しと性質は違うが、更年期の不調を「個人が我慢して乗り切るもの」から、「職場が整えるもの」へと考える方向は、共通しているようにみえる。

「ISO 45010」は国や会社の規模を問わず使える設計となっているため、日本の多くの企業にとってもヒントになるに違いない。これが新たな世界基準となっていくのか、今後の動きに注目したい。

Photo:Magnific

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