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コーセー、使わなくなった化粧品の
アップサイクル技術開発に乗り出す

投稿日時:2026.02.05

使い切れずに残った日やけ止めや、出番を失った化粧品。どんな人の家にもあるであろうそんなアイテムが、もし環境を守る技術やエネルギーに生まれ変わるとしたら——。そんな新たなアップサイクル技術の開発に、株式会社コーセーが着手することを発表した。

洗面台の奥から始まる、資源循環の発想

コーセーが開発に着手する技術は、使わなくなった化粧品を「環境触媒」へとアップサイクルする技術で、東京大学 高鍋・小畑・岸本研究室との共同研究により行われる。

アップサイクルの対象となるのは、日やけ止めなどに含まれる酸化亜鉛をはじめとした金属酸化物。これらに独自の化学プロセスを施すことで、環境浄化や資源循環、さらにはエネルギー分野での活用が期待される触媒へと再生させる試みだ。

この取り組みの背景にあるのは、化粧品に対する生活者の意識の変化。コーセーが行った調査では、化粧品メーカーに求めるサステナビリティの取り組みとして「廃棄物削減・資源循環」を最も重視する人が53%にのぼったという。

サステナビリティへの意識が高まるなか、化粧品は継続的に消費される消耗品だけに、消費者が心から気持ち良く使うためにも「廃棄物削減・資源循環」が求められるのは納得の回答といえる。

そういったニーズの高まりもあり、国内では2024年に約38.7万トンもの化粧品が生産されるなか、容器回収や再生といった取り組みは広がりを見せてきた。一方で、中身そのものには、まだ資源活用の余地が残されていた。

研究室発の技術が見つけ出す、新たな資源

新たな資源活用として着目されたのが、日やけ止めの紫外線防御成分として使われる酸化亜鉛だ。

この成分は、有害ガスの分解や、二酸化炭素からエネルギー資源を生み出す反応を助ける触媒材料として、産業分野でも重要な役割を担っている。それと同時に、輸入依存度の高さやリサイクル率の低さといった課題も抱えているという。

今回の研究では、東京大学が有する電磁波を活用した独自技術を軸に、化粧品由来の金属酸化物を新たな機能を持つ触媒として再生するプロセスが探られている。

すでに基礎技術として、酸化亜鉛を含む日やけ止めに白金化合物を加え、LED光を照射することで触媒化することに成功。この触媒は、通常の方法で作られたものと同等レベルで、一酸化炭素を分解できることが確認されているという。今後は、実際に使われなくなった日やけ止めから触媒を生成する実証実験を目指すという。

これまで容器や包装が中心だったリサイクルから、次は中身のアップサイクルへ。こうした企業努力によって、資源の再利用は新しいフェーズへと進んでいる。