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投稿日時:2026.01.12
「外に出ること」が、いつの間にか大きなハードルになってしまうことがある。とくに不登校の子どもたちにとっては、学校に通わない選択をしたことで、同年代と会う機会や街と関わる場面が限られがちだ。そんな状況の中で、純粋な「好き」という気持ちを起点に、一歩を踏み出すイベントが子どもたちによって企画された。
株式会社NIJINが運営する小中一貫オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」は、2026年1月、鉄道好きの子どもたちが中心となり、東急電鉄沿線を舞台にしたリアルイベント「逃走中企画」を開催する。不登校の子どもたちが自らアイディアを出し合い、企画立案から内容設計、運営までを子どもたち自身が担う、子ども主体のイベントだ。
発案したのは、NIJINアカデミー内で活動する鉄道サークルのメンバー。「鉄道が好き」という共通点を持つ仲間たちが、「どうしたらみんなで楽しめるか」を話し合いながら形にしてきた。
本イベントは“逃走中”形式で、参加者はハンター役と逃走者役に分かれ、ミッションをクリアしながら得点を競う。ルールは以下の3つ。
・ハンターや他チームに見つかるとポイントが増減
・ミッション達成に応じてポイントを獲得
・最終的に合計得点が最も高いチームが優勝
このルールのもとでミッションをクリアするには戦略性とチームワークが求められ、そのため自然と会話や協力が生まれる設計になっている。
ミッションの内容は、すべて東急電鉄沿線にちなんだもの。「○という漢字が入っている駅の駅名標と写真を撮る」「指定された写真と同じ沿線の建物を探して撮影する」「どの路線・どの駅を使うかを自分たちで考えて移動する」といった課題を通して、鉄道や街の魅力に触れていく。遊びながら沿線を巡る体験は、ちょっとした観光のようでもあり、沿線の魅力だけでなく街を知るきっかけにもなっている。
NIJINアカデミーでは、普段はメタバース(オンライン)を中心とした学習のため、生徒同士がリアルで顔を合わせる機会は多くない。それでも今回の企画には、東京都外からの参加者も集まったという。
「大好きな鉄道に触れられる」「同じ趣味の仲間とリアルで会える」という動機が、自然と外に出る後押しになっている。
今回の企画が実現した背景には、2025年8月に東京メトロを舞台に開催された第1弾の成功がある。参加者からは、「この企画がきっかけで、初めてリアルイベントに参加できた」という声をはじめ、学校では理解されなかった趣味趣向を肯定されたことや、自分の考えた企画が誰かを楽しませる経験が大きな自信につながったという声も聞かれたという。
企画を見守ってきた担任は、自分の「好き』を起点に誰かを楽しませ社会と関わっていく姿に大きな可能性を感じていると話している。子どもたちが持つ純粋な興味や好奇心が持つ力と素晴らしさを感じさせてくれるイベントだ。
NIJINアカデミーでは、今後はより多くの子どもたちが安心して参加できる形を模索しながら、鉄道会社や地域との連携も視野に入れて継続していく予定だという。