注目のタグ

ロクメイコーヒー、捨てられていた|コーヒーかすが新素材に生まれ変わる
記事詳細ページタイトルのあしらいアイコン

ロクメイコーヒー、捨てられていた
コーヒーかすが新素材に生まれ変わる

投稿日時:2026.03.18

日々の一杯の裏側で、当たり前のように生まれているコーヒーかす。じつは1杯飲むごとに出るコーヒーかすは、業界では課題のひとつだ。

奈良発のスペシャルティコーヒー専門店「ロクメイコーヒー」を運営する株式会社路珈珈はそんな課題と向き合い、この“捨てられていた存在”に新たな役割を見出した。

捨てられていた副産物を、ブランドの「顔」に

ロクメイコーヒーでは年間約40トンの焙煎を行い、その過程で大量のコーヒーかすが発生する。しかし、紙フィルターなどが混ざることで、一般的な堆肥化や飼料化が難しく、長年有効活用の方法が見つかっていなかったという。

ロクメイコーヒー、捨てられていた|コーヒーかすが新素材に生まれ変わるイメージ画像

そんななか転機をもたらしたのが、同じ奈良市に本社を構える老舗紙商・株式会社ペーパルの存在。

未利用資源を紙へと再生する技術を持つ同社の取り組みに着目し、「コーヒーかすでも紙にできるのでは」という発想から共同開発がスタートしたのだ。

そして同社は2026年3月、ペーパルと共同でコーヒー抽出後のかすを活用した新素材「コーヒー薄炭クラフト」を開発し、ロクメイコーヒーのギフトボックスとして採用し、販売を開始した。

ロクメイコーヒー、捨てられていた|コーヒーかすが新素材に生まれ変わるイメージ画像

ペーパルは、コーヒーかすをバイオ炭化し、段ボール古紙に配合する新たな製法を確立。混入物の問題もクリアしながら試作を重ね、「コーヒー薄炭クラフト」が完成した。

廃棄されていたコーヒーかすが、自社の顔となるパッケージとして循環する仕組みが見事に実現した。

1300年続く循環文化が、現代の暮らしへ

この素材の背景には、奈良ならではの歴史も息づいている。古代日本では、使い終えた紙を漉き返して再利用する文化があり、平安時代には「宿紙(しゅくし)」と呼ばれていた。

ペーパルはその循環の思想を現代に受け継ぎ、「薄炭クラフト」を2025年に開発。1300年の時を超えた再生の文化が、今回の取り組みにもつながっているというから、なかなか趣深い。

ロクメイコーヒー、捨てられていた|コーヒーかすが新素材に生まれ変わるイメージ画像

また、資源の再利用だけでなく、バイオ炭による炭素固定でCO₂排出抑制に寄与するほか、消臭機能も備えており、素材としての機能性も高いのも特長。

背景にあるストーリーと技術を駆使した機能性の2つが重なり合うことで、単なるパッケージ以上の価値が感じられるのも魅力的だ。

「もったいない」の心を持つ奈良の2つの会社が手を組み、企業同士の技術と発想により生まれた「コーヒー薄炭クラフト」。

ロクメイコーヒーのギフト商品「COTONARA 日常を豊かにする4種のブレンド」などにも採用され、店頭に並んでいる。ギフトボックスを見かけたときには、1300年続く日本の循環の文化に少し思いを馳せてみると、コーヒータイムがもうひとつ豊かな時間になるかもしれない。

画像提供:株式会社路珈珈

トップへ戻る