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投稿日時:2026.06.16
私たちがアウトドアウェアを選ぶとき、色やデザイン、機能性を見ることはあっても、その素材がどこから生まれたのかを意識する機会は多くない。
そんな中、ゴールドウイン、東レ、出光興産の3社が、リニューアブル原料を活用したナイロン繊維のサプライチェーンを構築したと発表した。新たな素材は、2026年8月からザ・ノース・フェイスの一部製品に採用される予定だ。
テントやレインウェア、バックパックなど、アウトドア用品にはナイロンが欠かせない。
軽くて丈夫で、長く使える。アウトドア好きにとっては身近な素材だが、その原料の多くは石油などの化石資源に依存している。
今回の取り組みでは、従来の原料の一部を植物由来などのリニューアブル原料へ置き換えながらナイロン繊維を製造するという。完成した繊維そのものに大きな違いはなくても、その背景にある素材の選択が少しずつ変わり始めている。
近年、アウトドア業界ではリサイクル素材を採用した製品が増えているが、今回注目したいのは「製品になった後」ではなく、「素材になる前」の工程に目を向けている点だ。
今回のサプライチェーンでは、「マスバランス方式」という考え方が採用されている。
少し難しく聞こえるが、簡単に言えば、製造工程でリニューアブル原料と従来原料が混ざった場合でも、投入した割合に応じてその価値を製品へ反映する仕組みということ。
印象的だったのは、新しい設備を一からつくるのではなく、既存の設備を活用していることだ。
環境配慮というと、まったく新しい技術や革新的な製品を思い浮かべがちだ。しかし実際には、今ある仕組みを少しずつ変えていくことも大切な選択肢の一つなのかもしれない。
今回製造されたナイロン繊維は、ザ・ノース・フェイスの一部製品へ採用される予定だという。
おそらく店頭で見ても、従来の製品との違いはすぐには分からないだろう。着心地や機能が大きく変わるわけでもない。
それでも、その一着の背景には、原料メーカー、繊維メーカー、ブランド、さらには海外企業まで関わる新たな選択が積み重なっている。
アウトドアブランドは自然をフィールドとしているからこそ、近年は製品回収やリサイクルなどさまざまな取り組みを進めてきた。今回のプロジェクトは、その流れをさらに一歩進め、素材の原点にまで目を向けた事例とも言えそうだ。
画像提供:株式会社ゴールドウイン