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男性育休の取得が5割超え、平均期間は?「形だけ」で終わらせない取り組みも
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男性育休の取得が5割超え、平均期間は?「形だけ」で終わらせない取り組みも

投稿日時:2026.10.12

日本の男性の育休取得率が、ついに5割を超えた。これまでは育休という選択肢がなかった人も、「何日取れる?」「給料はどうなる?」と気になっている人も多いはず。そんななか企業の男性育休への取り組みも変化を見せてきている。この記事では、男性育休の期間や平均、給付金の仕組み、また企業の取り組みを最新データで整理。男性育休の今を読みとく。

初めて5割を超えた男性育休の取得率

厚生労働省の調査によると、2025年度の男性の育休取得率は50.9%。前年度の40.5%から10.4ポイント上がり、初めて半数を超えた。国が掲げてきた「2025年に50%」という目標にも届いたことになる。

この数字の変化は、より詳細なデータにもしっかりと表れている。配偶者が出産した男性がいた事業所のうち、男性の育休取得者がいた事業所の割合は57.1%で、前年度の41.0%から16.1ポイント上がった。

さらに、契約社員など有期契約で働く男性の取得率も40.4%で、前年度33.2%から伸びている。これらのデータからも、一部の大企業や正社員だけでなく、職場や働き方を問わず、育休が身近な選択肢になりつつあることがわかる。

男性育休の平均期間は? 約半数が1か月未満

では、実際の期間はどうか。厚生労働省の調査では、男性の育休期間は「1か月〜3か月未満」が30.3%で最も多い。ただし1か月未満を合わせると約5割にのぼり、12か月以上取った人は約2%にとどまる。一方、女性は「12か月〜18か月未満」が最多だ。

男性育休の取得が5割超え、平均期間は?「形だけ」で終わらせない取り組みもイメージ画像

内訳を細かく見ると、「5日未満」が6.8%、「5日〜2週間未満」が14.1%と、2週間に満たない人も約2割いる。その一方で、育休を2回以上に分けて取った男性も約2割おり、取り方そのものは多様になってきている。

積水ハウスの2026年の調査でも、男性の育休取得日数の平均は27.2日。前年の21.5日から5.7日増えており、少しずつ長くなる傾向も見えている。それでも、制度上は1年取れるにもかかわらず、実際は1か月前後にとどまる人が多いのが現状だ。長さだけが正解ではないが、期間が短いほど、家事・育児の“当事者”になる前に職場へ戻ることになりやすい可能性があることは否めない。

男性育休はいつから、どれくらい取れる?

では男性の育休の仕組み自体がどうなっているのかを見ていく。男性の育休取得の流れは急速に広まっていることもあり、どのような制度なのかがわからないという声も多い。いつからどのぐらい取れるのかは次のとおり。

男性も「1年」取れる
育児休業の制度は、性別には関係のない制度のため、制度上では男性も1年の育休が認められており、女性と同じく原則として子どもが1歳になるまで取ることができる。

保育園に入れないなどの場合は、最長2歳まで延ばすことができる。夫婦ともに取る場合は、子どもが1歳2か月になるまでの間に1年間取ることも可能。

子どもが生まれた日から取れる
男性が育休を取れるのは、子どもが生まれた日から。生後8週間以内は、通常の育休とは別に「産後パパ育休」を4週間まで、2回に分けて取ることもできる。

産後パパ育休とは? 出生後8週間限定の“特別枠”

2022年10月に始まった産後パパ育休(出生時育児休業)は、子どもの出生後8週間以内に、最大4週間(28日)まで取れる育休の制度。

子どもが1歳になるまでの通常の育休とは別枠となる。出産後で母親の身体のダメージが大きく、休まなければならない時期を支える狙いがあり、そのため産後8週間以内となっている。

男性育休の取得が5割超え、平均期間は?「形だけ」で終わらせない取り組みもイメージ画像

また、申し出は原則として休業の2週間前までなので、通常の育休より直前の申請でも間に合うという特性もある。出産日は予定どおりになるとは限らず、より柔軟に対応できる仕組みだ。また、休業中に労使で合意すれば一定の範囲で働くことも可能で、育休の取り始めのハードルを下げる仕組みになっている。

ただし、この制度では、男性の育休が産後パパ育休だけ取って終わりになるという懸念もある。先述で紹介したように、男性の育休が1ヶ月未満で終わる人が約半数というデータがある。この制度が短期間の育休を招くことにならないための働きが必要といえる。

育休中の給与・給付金はどうなる?

給与の代わりに「育児休業給付金」
育休中に会社から給与が支払われない場合、雇用保険から「育児休業給付金」が支給される。金額は、育休開始から180日までが休業前賃金の67%、それ以降は50%。給付は非課税で、社会保険料の免除もあるため、手取りで見ると休業前の8割程度になる。

夫婦で取れば手取り10割相当に
2025年4月からは「出生後休業支援給付金」が加わった。子どもの出生後の一定期間に本人が14日以上の育休を取り、配偶者も育休を取るなどの条件を満たすと、最大28日間、給付率が80%に上がる。手取りでは約10割の水準だ。

社会保険料は免除される
育休中は、健康保険と厚生年金の保険料が免除される。月末に育休中であるか、同じ月の中で14日以上の育休を取ると、その月の保険料が免除になる。ボーナスにかかる保険料は、1か月を超える育休を取った場合に免除される。

「形だけ」で終わらせない、企業がリードする男性育休への動き

取得率や制度は広がりを見せている一方で、1ヶ月未満が半数という数字からわかるとおり、本質的な男性育休の定着にはまだ課題が多い。取得する側の不安もあるだろう。そんな中、企業側も自主的に取り組みを進めている。

パーソルキャリア:目標切り替えで平均取得日数79.8日に
転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリアは、男性育休の目標を「取得率の向上」から「1か月以上の取得促進」へと切り替えた。2025年度の取得率は91.9%、1か月以上取得した人の割合は67.0%(前年比16.5ポイント増)で、平均取得日数は79.8日にのぼっている。

制度だけでなく社内の意識変化も進めている。ユニークなのが、管理職向けの「制限のあるはたらき方理解研修」だ。1週間のノー残業や、子どもの急な呼び出しを想定した対応を、管理職自身が体験する。

育児中の部下の立場を“自分ごと”として知ることで、会議時間の見直しなど、職場の行動も変わってきたという。約3か月の育休を取った社員は、復帰後に家事・育児を自然に分担できるようになり、限られた時間で成果を出す働き方を意識するようになったと話す。

コロプラ:あえて「取得率100%」を目標にしない
ゲーム開発を行うコロプラは、男性育休の取得率100%をあえて目標に掲げないというユニークな試みをしている。その代わり重視しているのは、「取りたい人が、安心して長く取れる環境」をつくることだ。

特徴的なのは、育休の前後を通じたきめ細かな支え方だ。パートナーの妊娠を報告すると、人事との個別面談があり、給付金が振り込まれるまでの家計の準備まで相談できる。

また育休に入ると、業務用のチャットやDMへのアクセスを完全に止めて、仕事から切り離す。その一方で、四半期ごとに社内ニュースを届け、長い休みで会社とのつながりが途切れないよう配慮している。社員の部活動「子部」では、使わなくなった育児グッズを譲り合う循環も生見出している。

結果、2024年10月〜2025年9月期の男性の平均取得日数は152日で、3期連続で伸びた。最長では701日(約2年)取った社員もいるという。

【関連記事】男性育休平均152日のコロプラ、育児を支える独自の取り組み

取得率5割の次は、育休の「中身」へ

男性の育休取得率は初めて5割を超え、「取るか、取らないか」を議論する段階は過ぎつつある。これから問われるのは、どれだけの期間、どのように育児と向き合えるかという育休の中身だ。

給付金や産後パパ育休など、制度の後押しはそろってきた。あとは、それを使う家庭と、送り出す職場がどう変わるか。育休が“形だけ”でなく、家族と働き方を見直すための時間として根づいていけば、誰かひとりが子育てを抱え込まない社会に、一歩ずつ近づいていくはずだ。

Photo:Magnific

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